ビジネスマンを「めんどくさい」から解放する【RODEM】の開発の現場 に参加してきた。
特定のサービスが企画からリリース、そして現在までの2年間のLean開発の実践譚をデザイナ・PO・開発・PdMなどの各立場で一気に聞くことができて、なかなかの神回だったように思う。
なかでも全登壇者が思い出深く話す英断、「アプリつくってたけど、リリースすんのやめた」はまさにMVPの実践として強烈な印象を与えられた。
登壇概要と感想
1−1:はじめてサービスデザインを任されたデザイナーがいかにRODEMの開発についていくようになったか
- Speaker: 深沢さん @witch_doktor
- 立場: RODEMのデザイナー
- 内容: 変化の激しい開発にデザイン側からどうついていったかというお話。深沢さん自身もサービスやアプリのデザイン経験がないなかで、SketchやInvisionを使って、プロトタイピングやデザインガイドを用意して進めていかれた実践話。
- Slide: まだ公開されてない
- 感想:
- 素早い開発についていくために、デザインデータをどうしておくべきか。みたいな感覚はこれまでになかった視点なので非常に参考になった。Webサイトの開発でデザインは最後にエンジニアがデザイン融合するみたいな事がまだまだ多いが、デザイナーがプロトタイプ段階で参加できるという、UIや印象レベルのMVPがすぐに作れてめちゃくちゃいいなと実感させられた。
- Atomic Designやプロタイプで実装者が比較的安心して仕様に疑念をもたずに進められるのは職種間の変なわだかまりも減らせるのでかなり大きなポイントだと思う。
- あとヴァル研のお二人やギルドワークスの佐々木さんと、深沢さんが2年近く一緒に仕事していながら実際に会うのが初めてや2回目というのにも衝撃。デザインのような感性や非言語のやり取りが重要そうなものを、実際に会うことなく進めている事。そこにもプロトタイピングツールの力を感じた。
- 自分のつぶやき
EC-CUBEの管理画面もパーツ分解してデザインガイド・スタイルガイドつくりたいなぁ。 Sketch+InVision ためしてみたい。 #DevKan
— Yangsin@EC-CUBEのなかの人 (@yangsin_kim) 2017年7月1日
今度、深沢さんに相談にいこうと思うw
1−2:新規サービスの開発中にPOが何かを決断するために必要だったこと
- Speaker: 伊藤さん(ヴァル研究所)
- 立場: UXデザイナー/PO
- 内容:UXデザイナーとPOという立場でプロダクトの企画から現在までどんなインタビューを重ねて判断をしてきたかというお話。
- Slide:
- 感想:
- プロダクトのフェーズごとにUXデザイナーとしてどういう活動をして、POという立場でどう判断したのかというお話
- Problem/Solution Fitの話で、経費精算の精算時だけでなく、「計画時」「当日」「移動時」「精算時」など一連の流れのなかで課題をみつけそれぞれのソリューションを検討し、それぞれMVPを見つけて検証していたのが分かりやすかった。
- 移動時や当日の課題を解決しようとしたが、実際にはそれに対するソリューションはハードルが高いしなんなら自社の駅すぱあとと競合してしまうので、作ってきたアプリをリリースしない事を決める。というのは衝撃。
- 伊藤さんがマーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書の著者の1人ということに気づいてなかった!サインもらえばよかった。
- 自分のつぶやき
ユーザーには開発者の思いはわからない。作られたものからこう使うものだろうと思うしか無い。おうおうにして、二人の思いの間には差がある=コレジャナイカン #DevKan
— Yangsin@EC-CUBEのなかの人 (@yangsin_kim) 2017年7月1日
相手からのフィードバックループを早く取り入れていくためにも、小さく作ったものを相手に確認してもらうってことが開発者とユーザーの間で重要だと感じた。
1−3:仮説検証に追随するソフトウェア開発をするために大切なこと
- Speaker: 佐々木さん(ギルドワークス) @chachaki
- 立場: 開発リード・開発マネージメント
- 内容: 作ってきたアプリを捨てるなどの大きな決断に開発側がどうやってついていったのかのお話
- Slide:
- 感想:
- ギルドワークスが単に外注として開発を行うだけでなく仮説検証からユーザーインタビューや事業ロードマップなどビジネス成功のために支援しているのがよくわかった。
- 最大時、東京・宮城・大阪・愛媛というリモート分散体制のなかですばやい仮説検証と変化に対応できたのは、きちんと考えるべきときに考えて、決めるべき時に決めているから、都度そばでコミュニケーションとらなくてもやっていけたんだろうなという印象をうけた。
- 佐々木さんとダイアローグで話したなかで、合宿を通じて、アプリをやめると決めた時、合宿に参加していない深沢さんや愛媛の開発チームちどう伝えるかという話題があり、リモート開発もいいけど一周回ってやっぱりFace to Faceの良さはある。という話題もあった。リモートでもやっていけるコミュニケーション力と責任感のあるチームがFace to Faceで仕事するとどうなるのか?ちょっと気になる。
- あと、佐々木さん前から遠目や資料ではみたことあってもっと強面なイメージだったけど、実際あってみると声や口調がぜんぜんウェットな感じで予想外でした。やっぱり実際会うの大切ですねw
- 自分のつぶやき:
外部サービスの課題「他のサービスはRODEMのためにつくられているわけじゃない」うんうん。 #DevKan
— Yangsin@EC-CUBEのなかの人 (@yangsin_kim) 2017年7月1日
最近の自分の業務的にもここらへんはすごく共感する部分があったw
1−4:顧客開発モデル2周目の自分が3周目の世界に向かうにあたって
- Speaekr: 篠原さん
- 立場: PdM
- 内容: 事業責任者としてMVPをどう見極めてすすめてきたのかのお話。技術や開発以外の事業開発として参考になる点が多かった
- Slide: https://www.slideshare.net/noritakashinohara/mvp-77415690
- 感想:
- MVPについてのよかある質問やMVPの勘所をわかりやすくまとめてくれた素晴らしい内容でした。フェース毎のMVPの違いなど実践者ならではの事例とポイントが多く、とてもよかったです。
- やっぱりMVPって正しい物をつくるためであり、余計なものを作りすぎないためのものだよな。と思う。どうしても、人に見せる時につっこまれるのがいやで作りすぎちゃう事があるけど、もともと捨てる前提で価値を検証する最小単位をもっと見つけて集中しなければいけないと思った。
- MVPで検証し、好感触の尖っている点・魅力的品質ををもっと伸ばしていくこと注力するのが大切と強く感じた。
- リリースすぐは、契約よりもユーザーフィードバックを得るためにトライアルのほうが重要。トライアルアカウント増やすためにGoogleSuiteとActionScriptで1週間で申し込みフロー改善して前月比10倍になった話は観点も実行内容も共に軽快ですごく良い事例だった。
- 法務チェック大切。特にUIとかは結構特許認定されやすいので注意。
- ダイアローグでは、新事業の売上目標話(当然目標はあるが売上よりも重要な手前の指標をちゃんとレポートすることが大切)や、チャネル(代理店や連携先との関係)、プライシング(新規市場と既存市場での違い)の難しさについてもごにょごにょ。自分の仕事にも同じようにやっている点や応用できそうな点も多く、また機会をもうけて意見交換してみたい。
- 自分のつぶやき:
次は失敗すると首がとぶ人の話らしい #DevKan
— Yangsin@EC-CUBEのなかの人 (@yangsin_kim) 2017年7月1日
篠原さんの事業責任者としての姿勢は本当にそのとおりで、覚悟が生み出す力って大切だなと実感。